アトリエボーヌ 丸山保博建築研究所

西欧の手法と和の心を取り入れ手づくりの良さを生かしながら心やすらぐ情緒的完成度の高い建築を提案していくアトリエです。
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KISSAKO

写真撮影 石井雅義

道路側の外観。外壁は生石灰入土壁。加工した木ゴテで陰影をつけている。

道路側に塀等を設けず直接植込みにし、格子ごしに中庭へと連続させる。

土壁のテクスチャー。特殊目地のレンガと植栽。


道路より少し‘ひき’を設けたエントランス。

アプローチ見返り。

生石灰入土壁と自然石乱貼り、そしてプラントボックスの草花とのハーモニー。


ガラスの庇のアプローチ。パーゴラのある中庭・・・「自然と一体」というこの家のテーマを象徴する上部の土壁リング。

中庭のアプローチより地下階の坪庭を見下ろす。緑豊かな吹抜けに驚かされる。

微妙に凹凸のある漆喰の白さが目にやさしいリビング。ロフトの手すりは籐で編んだもの。床はパインの厚手の無垢材。手前の食卓用テーブルはくるみの板材でつくったもの。


リビングと中庭。中庭の窓には造り付けのテーブルを設置。右奥はキッチン。

2階よりの中庭の眺め。プラントボックスの花はスタジオTEATREEのデザインによる。

凹凸のある漆喰と籐巻きの柱。


あらわしの木天井。凹凸漆喰と籐編みの手すり。壁の窓の形は和の模様である「つぼつぼ」。

2階の寝室。全ての部屋が中庭に面する。

籐巻きの階段手すりと凹凸の漆喰仕上の壁。


地下階からの見上げ。狭さが各々のその素材の音色を身近なものにしている。

地下階の和室と中庭。和室の壁は外壁と同じ生石灰土壁。


中庭からの地下階和室。外壁の左官仕上げが和室内部まで入りこむ。

地下階の洋室と中庭。床の高低差を極力なくしてある。

建物概要

所在地 東京都杉並区高円寺
用途 専用住宅
竣工 2007年6月
規模 木造2階 地下階RC造
延床面積 188.47㎡
掲載誌 ‘07年 「日経アーキテクチュア 7-9号」
‘07年 「ニューハウス 9月号」

まちに集まって住むことの意味は? 家族とは? 生活を楽しむとは?

今「自然」の概念は思っている以上に大切と思われる。(別記「素材の本質の中に」参照)
外に自然を求めるのではなく、住まいの中に、生活の中に、自然との一体感を享受できる空間が、今こそ必要なのではないだろうか。

30坪にも満たない敷地に建つ専用住宅の小さな中庭である。「KISSAKO」の中庭はすべての部屋に面するように設計した。それは各部屋の通風、採光等を計るだけでなく、この住宅のアプローチでもあり、地階の西洋田舎風和室の茶庭にもなっている。「茶の湯」の精神の中に、またロマネスクの乾いた石塗込の空間に、脈々と流れる共通した美しさを感ずるのは私だけであろうか?また中庭を囲むようにプラントボックスが配され、四季の草花が植えられる。それだけでなく、空、風、雨、水、そして建物の仕上でもある、石、土、木等の自然の素材を共用する中庭である。「素材」―その力は思っている以上に大きい。(是非、実際に目で見て頂きたい!)

建物の保護目的としての仕上だけでなく、又近代の驕った美意識を象徴する目的でもない、自然の素材の奏でる音色(ねいろ)、ハーモニーを通してはじめて、家族、共同体の象徴としての中庭の意味が問い直されるのではないだろうか。建築がそこにどこまで積極的に寄与できるか、そんな思いで設計した。

なお土壁の土は(CASA DE ATRIO)と同じ栃木の葛生から取り寄せた。以前の土とは少し勝手も違い、現場での調整も若干あったが、木々の緑に、草花にやさしく包まれた何とも言えぬ趣きに仕上った壁を前にし、現場での責任施工の苦労が懐かしく思い出される。

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