丸山保博のコラム
ロマネスクの旅 Vol.1
2017年11月29日 丸山保博のコラム
ロマネスク教会を見たくて 近代建築というものを見たくてアメリカ、ヨーロッパヘと旅をしたのは、もう20年程前にもなる。海外の建築を見るのは、雑誌や写真でしか無いその当時の自分にとって、実際の建物に直に触れる興奮、喜びはこの …
ロマネスクの旅 Vol.2
2017年11月29日 丸山保博のコラム
素材について 〈石造〉 まず目に入ってくるのが建物が殆どといってよい程石造、石積みである。そして開口部は力学上基本的に半円にくり抜かれている。アーチである。美しい自然の中、石積みの納屋がポツンと佇んでいる風景は、地震国で …
ロマネスクの旅 Vol.3
2017年12月20日 丸山保博のコラム
ロマネスク空間について 〈無垢の空間〉 ロマネスク教会の特長の天井も石造であるという点は、前述の通りである。そして、その石造の様子は各地域によって各々であった。最盛期のクリニューの桁外れの大きさには驚かされた。その構造以 …
ケルトへの旅 Vol.1
2017年11月30日 丸山保博のコラム
ケルトに会いたくて 海外へ建築を見に行きたいと思い、ヨーロッパ、アメリカと回ったのが23年前。近代建築にはないヨーロッパの中世古代、「ロマネスク」を見て回ったのが3年程前。何かぼんやりと複雑な民族間の共同体 …
ケルトへの旅 Vol.3
2017年11月30日 丸山保博のコラム
内部空間 アイルランドの西部のガララス礼拝堂は、修道院内の礼拝堂石積み建築の特長を現在にとどめている数少ない道跡の一つである。舟底の天井、奥行約4.5メートルという狭さに小さな開口窓が一つ。限りなく個室に近い礼拝堂である …
ケルトへの旅 Vol.2
2017年11月30日 丸山保博のコラム
アイルランドの自然 ゆるやかな丘の続く自然の地形なりの畑や牧草地の豊かな緑。そんな風景の中に点々と見えかくれする村々。教会の塔が愛らしい。フランスロマネスクの風景である。美しい。そうは思いながら、目本の自然を思う。豊かな …
素材の本質の中に Vol.1
2017年12月11日 丸山保博のコラム
素材の本質の中に-ヒューマニズムの限界- 現在の問題 《神が人間をつくったのか? 人間が神をつくったのか?》 神や精神が世界や物質をつくったのではなく、世界が物質が、人間という頭脳が、精神や神、物質以外のものをつくったの …
素材の本質の中に Vol.2
2017年12月11日 丸山保博のコラム
循環の思想 《価値の転換》 私には、今まで述べてきたような問題をとり上げるだけの知識も資格も無いということは、よくわかっているが、どうしても社会の価値観というようなものに少なからず関与する、建築設計という仕事上、避けて通 …
素材の本質の中に Vol.3
2017年12月11日 丸山保博のコラム
素材 《感動の意味-「もと」になるもの-》 この稿を書きながら、目の前にある土壁にそっと手を触れる。うっすらと浅葱のさした土である。今、ここにいることを無条件で祝福してくれているような、しっとりとして、それでいて乾いた感 …
和室のある豊かな暮らし
2017年12月13日 丸山保博のコラム
日本の心を伝える和室 靴をぬいで、畳の上にあがるだけでホッとする。ちょうど青い空を仰ぎ見るのと同じなのかもしれません。平安時代寝殿造にもあったといわれる置き畳。それ以後、書院造そして茶室へと日本人の生活と切っても切り離せ …